昨日の話の続きです。
昨日は最高裁判所の大法廷での弁論を傍聴してきました。
訴訟のテーマは議員定数不均衡問題(いわゆる「1票の格差」の問題)で、
今回の裁判は、2013年の参院選についてのものでした。
もともと自分自身もこの問題には憤慨している方なわけで、
このテーマでの裁判を傍聴できたのは大きかったです。
1票の格差の問題では、衆議院についても違憲状態の判断がだされており、
それにもかかわらず、国会は適切な選挙制度改革をしていません。
1票の格差の是正と定位数削減については、
2012年12月の党首討論において当時の野田首相が解散の条件として提示し、
それにもかかわらず、安倍内閣は未だにその実現を果たしていません。
まさに詐欺的とも取れる現在の内閣の姿勢は大問題ですが、
これを指摘する野党勢力がいないというのもおかしな話。
まあそれは置いておいて、昨日の弁論ではなかなか面白い意見が聞けました。
ふつう、1票の格差の問題は、
憲法第14条の法の下の平等を根拠とするんだと思うんですが、
昨日の午後の弁論で最初に発言した方は、
人口比例選挙の要請は、国民主権を謳っている全文及び第1条と、
議事は出席議員の過半数で決するという第56条2項から導けると。
これは聞いたことのない考えだったので、なるほどなーと。
もし人口比例選挙でなければ、少数の代表が国会で多数を占めることになり、
国民の多数の意見と国会の多数の意見が分かれてしまった場合、
決定は国会で行っているので、国民の多数の意見は通らなくなり、
国民主権ではなく、国会主権となってしまうというのです。
だから、背理法的に考えて、人口比例選挙でなければいけないと。
で、その議論の中でちょっと驚いたのが、
平等規定は選挙制度における絶対条件ではないということを、
最高裁は過去に判断していて、その立場は今も変わっていないと。
憲法47条では、議員の選挙に関する事項は法律で定めるとしているので、
選挙制度の決定については国会に広く裁量が認められていて、
それによって平等が調整されるべきであるという考えなんだって。
なんじゃそりゃ。委任しているとはいっても、だったら憲法ってなんなの?
1人目の方が、やや裁判官たちを挑発するような論調で、
それに対して、2人目の方は低姿勢でお願いする感じ。
緩急がついていてなかなかいい戦略ですよね。
2人目の方は「もう国会議員に任せておくのはムリ」と発言し、
その時には思わず大きくうなずいてしまいました。
まさにその通りで、立法府にはその能力はないわけだから、
司法からの後押しがないと自分たちでは何も変えられないわけです。
だから、とっとと違憲無効の判決を最高裁で出せばいい。
そのくらいにならないと、国会議員は動かないんでしょうから。
ということで、今回傍聴した裁判の結果が歴史的になることを望みます。
そうでないとすれば、国会だけでなく最高裁も怠慢だということでしょう。
2004年からブログを書いています。思ったことを気ままに書いていますが、旅に出るとその記事で埋まっていきます。旅行は日本国内が中心で、2022年6月に旅をした和歌山県をもって、47都道府県すべてを訪れたことになりました。好きなアーティストのライブにもちょいちょい行っています。
文系学部卒だけど理系脳なのか?という感じ。
このブログではできる限り政治に関する発言は控えようと思っていますがたまに漏れ出します。その辺のことはX(旧twitter)でがっつりつぶやいてます。