春画展に行ってきた・中編

芸術の秋ということで、昨日は「春画展」に行ってきたのでした。

春画というと、いやらしいというイメージしかないかもしれませんが、
まあ、自分もちゃんと見るまでは半分はそんなイメージでしたけど、
見てみると、やっぱりこれは芸術作品なんだなーって。

まずは、目白にある「永青文庫」で作品を見てきたわけですが、
はじめの展示室のものが一番大きくてきれいな絵で、
浮世絵というのはあまり見たことがなかったんだけど、
その美しさというか、素晴らしさも感じることができました。

細かなところまでしっかり書かれているわけで、
それこそ、細い毛の1本までね。

それが、手で書いたってのもすごいけど、版画のものもあるわけで、
どんだけ細かく彫ってんだよと。

さらに、春画はそういう行為の最中の絵なわけだけど、
その局部が強調されて描かれているのはもちろんのこと、
周りの風景や部屋の中の調度品や着ている服の柄など、
その性的な部分とは関係ないところもしっかりと描かれていて、
そこが絵師の誇りというか、単なるエロ画じゃないんだよって、
そういう想いというか、矜持というか、それが伝わってきました。

作品の中で面白かったのは、仕掛けがしてあるもので、
男性の方が甲冑を着ているんだけど、
その一部がめくれるようになっていて、中を見れるんですね。

なるほど。なかなかいいアイデアじゃないですか。

で、いろいろあった中で、ちょっと衝撃を受けたのがあって、
作品の中にはいろいろなパロディものがけっこうあるんですね。

まあ、現代でもビデオのタイトルをもじったりしてますものね。

ただ、自分がちょっとショックというか、憤りを感じたのが、
涅槃像を模した作品だったんです。

涅槃像とは、御釈迦様の入滅の様子をあらわしたものですが、
その横たわっているものが男性のあれになっていてですね。

いやー、あれを見たときは、それはやっちゃダメだろーって。

一緒に行った友人は、なかなか気に入っていたようですが、
自分は、島原で大きな涅槃像を見てからというもの、
仏像の中でも最も尊いものが涅槃像であると思ってきたので、
それがあんな姿に変わっているとは、ちょっと許せない気持ちに。

程度はだいぶ違うでしょうけど、ムスリムの人がたまに怒りますが、
あれはこういう気持ちなんだろうなって、ちょっとわかった気がしました。

肉筆のものから、一般に読まれたであろう版本、そして豆版と、
いろいろな作品が展示してありましたのですが、
展示期間が4つに分かれていて、行ったのは前期の後半。

今挙げた2つの作品は、前期のみの展示だったみたいで、
いい時に行ってよかったです。

11月3日からは後期になるので、また展示はガラッと変わるみたい。
また行っても楽しめるのかー。なんか、また行きたくなっちゃうな。

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