「キング・コーン」

なんか、暖かいのか寒いのか気温がずいぶんと不安定ですね。
いきなり冷たい風が吹いてくるのは困ります。

さて、今日は映画を見に行ってきました。
この間行ってきた「アースデイ東京2009」で見つけた映画です。

最近、あちこち出かけすぎですが、
まあ、ゴールデンウィークはほとんどおうちで過ごす予定なので、
その分、いろんなところに出かけているってことで。

とか言いつつ、ゴールデンウィークにも出かけちゃったりするんだろうけど。

で、映画は「キング・コーン」という映画で、
前に見に行った「いのちの食べかた」と同じく、食について考える映画です。

大学を卒業したばかりの2人のアメリカ人が、
自分たちの体のほとんどがコーンからできていると知り、
それはいったいどういうことなのか、自分たちでコーンを栽培しながら考える。

そんな映画です。
感想がかなり長くなってしまったので、続きは以下のリンクから…。


映画の前半はちょっと話の展開がゆっくり過ぎて、ちょっと飽きる感じ。
昔話も多いからおもしろくない。でも、それもちゃんと関係してるんだけど。

で、映画をただ眺めていると、単なるアメリカ人の問題に見えてしまうのね。

家畜にトウモロコシを食べさせるようになったから牛の脂身が増えて、
さらに、コーンから作った甘味料は炭酸飲料にドバドバ入れられていて、
結局、アメリカ人はカロリーを脂や糖分から得ているという現状。

まあ、そこだけ見れば、単なるアメリカ人の健康の問題。

ただ、この甘味料は曲者で、かなり代謝が悪いそうで、糖尿病の原因になる。
たしかに、俺も社会人になるまでは炭酸飲料いっぱい飲んでてね。

で、社会人になって初めての健康診断で血糖値が正常範囲の上限ギリギリで、
それから炭酸飲料を飲むのを控えるようになったのでした。

別に太ってるわけじゃないんだけどね。だから余計に怖いよね。

で、そんな話だけじゃなく、
実は、日本人にもしっかり関係している問題がいっぱいでした。

例えば、日本のトウモロコシの食料自給率は1%未満なわけ。
つまり、ほぼすべてが輸入であって、それはアメリカからやってくる。

ただ1つだけ注意すべきなのは、
この映画で描かれているコーンとは、ゆでて食べるやつじゃなくて、
それとは違う種の家畜のえさやいろいろな原料にまわれるものですよ。
(でも、それが一番生産が多いわけですけどね)

ってことは、日本の家畜たちだってこのトウモロコシを食べてるわけだ。

で、このコーンはまさに「工業製品」であって「農作物」とはとても言えない。

いきなり農業を始めた2人でも簡単に作れる作物であって、
だからこそ、買取単価はとても安く、人が食べれるような味ではなく、
行き先は、家畜のエサ、科学的に変化させて甘味料、バイオエタノール…。

映画に出てくる農家のおじさんが、
「わしらはクズを作っているんだ」って言うシーンがあってね。

買い取り価格が安いから、彼ら2人も結局赤字となってしまうが、
政府からの補助金がもらえたので黒字に転換。

アメリカの農業は大規模農業で効率がいいとは言うけれど、
やっぱり、政府の補助金で成り立っているというのは日本と同じ。

ただ、日本の農業政策は農家のやる気をなくさせる。
アメリカの政策は作り過ぎさせる。で、余剰分をどうするか困っている。
そこで開発されたのが「コーンシロップ」という甘味料。

だったら、余剰分は途上国にでもまわせばいいわけだ。
(といっても、そのまままわしても人は食べれないけど)

農業も大規模化していき、リタイアする土地は集められどんどん大規模化。
だから、農業がより工業化されていてしまう。

日本の農業政策も大規模化の方向に向かっているらしいけど、
それだと、アメリカの二の舞になるわけだね。

農作物を育てるのではなく、クズを育てる農業になるのだ。

まあただ、そこで農家を責めても意味がないわけで、
そんなクズ作ってるならやめろよって言うのはおかしいわけね。

もともとはそういうつもりじゃないはずだっただろうし、
今もいいとは思っていないだろうし、生活のためだよね。

例えば、俺だって教員やってて、それはなりたくてなったんだけど、
理想的な教育ができているのかといわれればそれは厳しいよね。

ある側面から見れば、俺は進学を重視した中高一貫校にいるわけで、
そうなると、この学歴社会を助長させてるって言われてもしょうがない。

もちろん、俺は学歴社会がいいなんて思ってない。
だったら、教員を、またはその学校を今すぐ辞めなきゃいけないわけ?

そのあたりは、やりながらもどうしていくのか、
農家だけじゃなく、消費者も、政府も、その政府を選ぶ有権者も、
みんなで変えていかなきゃいけない問題ですよね。

上映しているのは、渋谷のイメージフォーラムです。
「いのちの食べかた」の半券を持っていくと割引してくれるそうです。
(俺はそんなこと知らなかったから、持っていかなかったけど)

「いのちの食べかた」は見れない人でもこれは見れるのでぜひどうぞ。

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