府中刑務所施設見学会・講演編

ということで、府中市のふるさと納税の返礼品として開催された、
府中刑務所の施設見学会に行ってきました。

まずは、大きな会議室でお話を伺いました。府中刑務所の設備などについてです。

かつて江戸時代に人足寄場として石川島にできた施設が前身で、その後巣鴨に移転。
関東大震災で被災したため府中に移ってきたということでした。今年で90周年を迎えたそうです。

日本最大の刑務所で、現在は1800人余りが収容されていると。そのうち400名ほどが外国人。
日本人の入所回数の平均は4.8回で、そうなると20~25年は社会から隔絶されているとのことでした。

高齢者はおよそ2割で、その処遇も大変そうでした。要介護の人もいるということだし。
その介護の世話も受刑者が行って、資格の取得につなげているそうです。一石二鳥な感じ。

施設紹介の後に、実際に所内を見学させてもらいましたが、その感想は次の記事に回すとして、
戻ってきてからは実務者の方々のお話を聞くことができました。

まずは刑務官。刑務所だけでなく拘置所での業務も刑務官の仕事なんですね。
いうなれば「学校の担任」に当たるということでしたが、まさにその通りな印象でした。

規律を乱すものには指導を与えるのは生活指導だし、出所後の生活を考えるのは進路指導だし、
「変わろうとしている受刑者は、われわれを見る目が変わる」という言葉が印象的でした。

福祉専門官という方は、出所後の住まい探しや福祉サービスを受けるための手続き支援をしていると。
さらに、就労専門官という役職もあって、ハローワークや協力雇用主と連携しているとのこと。
ただ、就労者数も教えてくれたけど、出所者数からするとずいぶんと少ないみたいです。

最後に、保護司の方からのお話があって、これもなかなか大変な仕事ですよね。
毎月2回程度の面談を行って、近況の確認や悩み相談を行っているとのことでした。
お店を探したり病院に連れていったり、雑用係的なこともしていると。
それをボランティアでやっているわけで、本当に頭が下がります。

社会を明るくする運動」を知っている人も、見学会に参加している人の中にはほとんどおらず、
陰ながら社会を支えてくれている人たちということですよね。ありがとうございます。

陰ながら、という点では刑務官のみなさんも同じで、そのようなお話がありました。
報道などは判決が出たところで終わってしまうわけで、そのあとを担うのが刑務所ですからね。

見学に行ってみて、どのような形で受刑者が処遇されているのかを知ることができたのはもちろん、
それを支えているみなさんのことを知ることができたのは本当によかったです。

ただただ、みなさんお疲れ様です…、という感覚になりました。

ただ、そういった支援を行うには本人が希望していることが基本となっているので、
気持ちの変化がないことにはどうにもならない、というところに難しさを感じました。

このような見学会は、ふるさと納税の返礼品としてのものは年に2回だということですが、
その他に、人権団体だとか大学のゼミだとか、相応の団体が行っているそうで、
東京唯一の刑務所ということもあって、年に150日程度の案内をしているんだって。ほぼ毎日だと。

そうやって多くの人たちに、みなさんの大変さを知ってもらうのはいいことですね。
もちろん、毎年11月3日には文化祭がありますので、そちらにもぜひ訪れてみてください。

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