「華氏119」
- 2018.11.25
- 映画
「華氏911」を見に行ったのは、もう14年も前のことなんですね。
「華氏911」は自由が燃える温度だということでしたが、今回は「華氏119」です。
11月9日にトランプ大統領の当選が決まったということで。
ということで、そろそろ公開が終わってしまうというので、
急いで見に行ってきたわけですが、うん、見に行ってよかったです。
トランプ政権がなぜ誕生してしまったのか、という話なわけですけど、
ミシガン州で民間出身の知事が誕生したことを引き合いに出して、
これから何が起こっていくか、危惧するような内容になっていました。
その話を中心としていろいろな論点が出てきます。
映画のWEBサイトの「STORY」を読めばだいたい中身はわかります。
まずは、メディアの問題。結局はメディアはトランプの広報役になっていること。
メディアは視聴率が取れればそれでいいんですよね。
だから、過激なことを言うトランプは格好のネタになるわけで、
しかも、選挙がらみのニュースであればタダで放送できるわけ。
それが結局は、トランプにタダで宣伝をさせる結果になったわけです。
それに関連して、企業優先の政治というのにも注目が。
全米ライフル協会の話は今さらな話題なわけですけど、
献金をもらえることが指示を受けることよりも政治家にとっては重要で、
だからこそ、庶民の意思はことごとく無視されていると。
それは共和党だけの話ではなくて民主党もそうだという視点がなかなかで、
なぜ、民主党の候補者争いにサンダースではなくヒラリーが勝ったのか。
まさにそれこそが、結局はアッパーによる政治であり、
そうやって庶民の意向を無視することで政治への期待をそぎ、
政治の世界から離れさせることで、自分たちだけの政治を実現していく。
共和党の問題より民主党の問題だというのは、
日本にいる限りではなかなか気づきにくいポイントなのではないかと。
終盤に出てきたのが言葉に興味深いものがありましてね。
独裁者のような人が出てきても、911のような事態が起きたとしても、
200年続いてきたアメリカの民主主義は崩れるはずがないと人々は言うけれど、
「アメリカの民主主義はせいぜい1970年からで、かつては奴隷制もあったし、
黒人や女性への差別がなくなったのはここ数十年にすぎない」
「彼らが考えるアメリカの民主主義とはあくまでも目標なんだ」
なるほどなーって。言われてみれば確かにそうですよね。
アメリカの語る民主主義は夢であり、これから歩んでいくべき道であって、
実際のそのような社会を実現しているわけではないんですよね。
だからこそ、簡単にひっくり返る危険はあるわけで、
そこが日本とはちょっと違うのかなとも思いました。
なかなか今回も勉強になりました。
より詳しくは、noteの方にでも書こうと思います。