「アントキノイノチ」

昨日はみなさんが休んでいる間に仕事をしていたので、
その代わりに今日は俺がお出かけしてきました。

いや、別に昨日の振り替えでもなんでもないですけど。
木曜日はもともと休みです。

で、今日は映画を見てきました。「アントキノイノチ」です。

東京国際映画祭にこの映画が出品されていたのを見つけて、
その映画祭の上映日に見にいこうかと思っていたんだけど、
うっかりチケットを取ることを忘れてしまって、
気づいた時にはすでに売り切れてしまっていたのでした。

まあ、そりゃそうだよね。舞台挨拶とかあるんだもん。

ってことで、見てきたわけですが、
やっぱり、書籍の映画化ってのは難しいんでしょうね。

以下、感想ですが、これから見るかもな人は読まない方がいいかも。

命をつなぐっていうんですかね、
あの時の命があるから今の自分たちがいるというのがテーマで、
PG-12指定となっていることもあって、それなりの内容でした。

死んでいくときは1人なのだから、
生きている間は誰かとつながっていたい。

でも、そのつながりというのがとても表面的で、
実際にはそれぞれが関係性から逃げてしまっていたり、
自分を守るために簡単に関係を断ち切ってしまったり。

離れるとその関係の大切さがわかるというのはその通りですね。

ただ、ちょっと気になったのは、
ドキュメントと創作のなんか中間っぽい感じで、
中途半端さが感じられたところかな。

命の大切さを説こうとしているのに、死をいろんなところで使うのはどうかと。

そんなに簡単に人は死んでしまうのか。人を殺そうとするのか。
エンターテインメントとしてはしょうがないのかもしれませんが、
そこまで劇的にしなくても、ちゃんと伝わってくると思うんだけどな。

むしろ、それらがジャマしているようにも感じられました。

物語の中の現実でない死によって、
現実にある命を大切にしてもらおうとするということかもしれないけど、
特に、最後の結末にはちょっと納得いかなくて。

で、さだまさしさんの原作があるというので、
書籍の方でもそういう結末なのかとちょっと本屋で読んでみたんだけど、
やっぱりそうはなっていないんだよね。

そりゃそうだよな。あの結末は唐突すぎて首をかしげたくなる。

まあ、原作は原作で無理のある設定があるそうで、
たしかに、松井君にまつわる話はちょっとやりすぎな気がしますが、
映画は海のシーンで終わってしまってよかったんじゃないかと。

海のシーンのあとにそれぞれが活躍してますよって流しておしまいでよかったかと。

最後にそのシーンがもう一度流れただけにね。

「元気ですかー」って叫ぶところでは、
流れ的に笑ってしまうのかもしれないような感じでしたが、
そんなことなくて、何だかわからないけど涙がこみ上げてきてしまって、
でも、それは俺だけではなかったようで、安心しました。

あそこのシーンがよかっただけに、そこで終わってよかったんじゃないかってね。

あと、思ったのは、話の流れがちょっと「おくりびと」に似ていないかと。
同じTBSなんですよね。まあ、気のせいでしょうけど。

あとは、学校でのシーンが出てくるんだけど、
やっぱりそこで思うのは、大人というか先生というかがもっとしっかりしないとなって。

大人たちのせいで傷跡がついていってしまって、その傷は消えないわけで、
それもあっての人生だって割り切れないからこそ人はおかしくなるわけで、
何でも、傷つけた後に壊した後にそれを治すのは大変なのだから、
いかにして傷つけないのか壊さないのか、と考えないと。

ってことで、話自体は微妙でしたが、役者さんたちはよかったね。
うまくはまっていた感じだった。

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