「死刑弁護人」

昨日の夜から風が強いですねー。

九州では大雨ということで、梅雨の終わり間際はいつもそうですから、
これからも気をつけないといけませんね。

ということで、「ポレポレ東中野」にて映画を見てきました。
ここに来たのは5年ぶりでした。

今回見たのは、「死刑弁護人」という映画で、
死刑判決が出る可能性のある裁判の担当をしてきた弁護士の話。

その事件というのがかなり有名なものが多くて、
和歌山毒カレー事件とか、光市母子殺害事件とか、オウム裁判とか。

予告編には、
最高裁の弁護人は死刑執行まで背負う。
遺体を引き取り、葬式を出す。

というのがあったので、そういう話がメインなのかと思ったら、
安田弁護士の担当した事件の話が中心で。

なので、ちょっと期待していたものとは違ったかな。

死刑弁護人というので、ずっと事件にかかわっているのかと思ったら、
最高裁のとき(上告審)だけ担当しているとかなのもあるのね。

まあ、最後になって彼に頼ってくるというのは、
それだけしっかりと依頼者(被告人)に向き合ってくれて、
最後の最後まで自分の味方になってくれると信じられるからなんだろうな。

それまで死刑判決が出ていて、上告審でひっくり返すなんて難しいものね。
もちろん、再審という話はあるのかもしれないけどね。

ただ、事実をでっちあげて再審請求をしていれば、
死刑執行を遅らせることができるからそうすればいいとか、
いくつか首をかしげるような話もありましたね。

最終的に、彼の取っている「立場」というのがとても理解できました。

映画にパンフに見た人の感想が書いてあったんだけど、
その中の、大谷昭宏さんのコメントにこんなのがあってね。
私は死刑存置派である。
だが、強固なまでにそれを主張できるのは、
死刑弁護人・安田好弘がいるからである。

これがどういう意味なんだろうって思っていたんだけど、
映画を見たら、なるほど納得できました。

単に、制度としての死刑に反対するだけでなく、
しっかりと被告人の人格と向き合って真実を探ろうとする、
あの姿勢があるからこそ、安心して死刑が執行できると。

つまり、バランサーと言ってしまっては単純化しすぎかもしれないけど、
あれだけやってくれれば、やりたい放題にはならないなと。

まあそれでも、彼自身に警察や検察からの嫌がらせがあって、
誰が見ても明らかな弁護活動の妨害をしていたというのはがっかりですね。

あちらが正々堂々と戦っているのだから、
こちらだって正々堂々とやらなきゃダメでしょ。

我々が安心して任せられるようにやってもらわないと。
みんなが納得すればそれでいい、という法規範はいかがなものかと思います。

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