
昨日の記事の続きです。
昨日は渋谷の「アップリンク」というところで映画を見てきたのでした。
タイトルは「モンサントの不自然な食べもの」です。
モンサント社は、現在は遺伝子組み換え作物で有名ですが、
かつては、PCB、枯葉剤、牛成長ホルモンといった製品を作っていて、
アメリカを代表するバイオ科学メーカーです。
ただ、世間ではずいぶんと悪いうわさが立てられている企業でもあって、
そのあたりを調査したのがこの映画ということでした。
で、見て思ったのは、今の時期になぜこの映画が上映されたのか、
それは、TPPが推進されている中で、アメリカの農業の怖さを訴える、
そういった意味合いが基本なのかもしれませんが、
日本におけるいわゆる「原子力ムラ」と同じ構造が、
モンサント社とアメリカ政府の間に見られるということなんじゃないかと。
つまり、政策遂行のために政府が企業と手を組んでいるということ。
企業の作る製品には危険性があり、
政府に提出された企業のデータが改ざんされていたとしても、
バイオ産業を成長させるためにその改ざんには目をつむり、
むしろ、その企業が活動しやすいように規制を撤廃する。
アメリカでは「回転ドア」と呼ばれている人事交流(天上がり)によって、
企業関係者が政府の要職に就き、その関係性を強固にしている。
科学者も企業の正当性を保証するためにある意味で雇われていて、
だれもが不自然と思っていることが正当化されていっているのです。
まさに日本と同じ状況なんじゃないですかね。
で、興味深かったのは、
安全性を確認して輸出を行うために作られたイギリスの研究機関が、
遺伝子組み換え技術の危険性を研究で見つけてしまったってこと。
現在のアメリカには遺伝子組み換え作物が蔓延しているわけですが、
かつて、モンサント社はPCBの問題においてその危険性を隠蔽し、
多くの人々に被害を与えているわけです。
映画で指摘されていたのは、
危険だとわかっていてもそれを隠蔽し、発覚したら後で賠償すればよい。
なぜなら、発覚するまでに十分な利益を上げられるので、だとのこと。
そんな過去を持っている企業の言うことなど信じられないと。
すでに遺伝子組み換え作物の危険性を知っていながらも、
それが発覚するまで放置しておけばいいじゃんって、
そう思っていても不思議ではないと。
そういわれちゃうと、そうかもしれないよねって思ってしまいますよね。
実際に、遺伝子組み換え作物の問題点は様々に指摘されていて、
組み替えられた遺伝子そのものというよりも、
その組み換え技術が問題であるという話まで出ているのです。
それなのに、アメリカでは遺伝子組み換え作物は、
従来の作物とほぼ同じであるという「実質的同等性」の原則により、
特に申請しなくても作ることができるようになっていて、
食品添加物はそのたびごとに検査されるのに、
遺伝子組み換え作物は検査されないという、
とても不思議なことになっているのです。
で、問題はもう1つあって、それが世界の食糧の支配についてで、
遺伝子組み換え作物の恐ろしさはまさにそこにあると、
大学の授業で俺は聞いたことがあったので、それについても書いときます。
遺伝子組み換え作物を栽培するに当たっては、
毎年新たに種子をモンサント社から購入しなければならなくて、
自分のところでとれた種を翌年に埋めてはいけないのです。
そうすることによって、巨額の特許料収入を得られるわけです。
ただ一方で、花粉が飛んで行ったり、種が移動中に落ちたりして、
遺伝子組み換え作物が在来種を駆逐していっていて、
在来種がなくなってしまったら、遺伝子組み換え作物を作るしかなく、
その種は勝手に生えたからといって自分で蒔けば特許違反。
そうやって、世界の食糧を牛耳ろうとしているのではないかと、
そのような疑いが立てられているのです。
すでに遺伝子組み換え作物による汚染は進んでいて、
日本でも、貿易港のある都市を中心に確認されています。
そんな企業をアメリカ政府が支援しているとすれば、
アメリカは軍事的にだけでなく、
食糧の面からの世界征服をたくらんでいるのではないかと、
そのようにも思ってしまいます。
食の安全性のみならず、食そのものが支配されようとしている、
この問題について、もっと多くの人が認識する必要があって、
なので、多くの人にこの映画を見てもらいたいと思いました。
といっても、すごく長い映画なので、
まずは、WEBサイトにある予告編だけでも見てください。
それだけでも、ある程度問題の重大性がわかると思います。
2004年からブログを書いています。思ったことを気ままに書いていますが、旅に出るとその記事で埋まっていきます。旅行は日本国内が中心で、2022年6月に旅をした和歌山県をもって、47都道府県すべてを訪れたことになりました。好きなアーティストのライブにもちょいちょい行っています。
文系学部卒だけど理系脳なのか?という感じ。
このブログではできる限り政治に関する発言は控えようと思っていますがたまに漏れ出します。その辺のことはX(旧twitter)でがっつりつぶやいてます。