政治参加について考える

明日は都立高校の入試ですね。悔いのないようにがんばってください。
今年は暖かいようでよかったですね。逆に、のぼせないように気を付けて。

さて、昨年末にふかわりょうさんの本を買ったという話を書きましたが、
もう1冊、けっこう分厚い本を購入しました。

タイトルは「近代日本の政治を研究する」というもので、
以前に、同じ職場で働かせていただいていた方の本でなんですけど、
社会人向けの講演会を文字起こししたものなのです。

Dの3行目というところが主催している「プロセス解明講座」で、
毎年講演をされているようなんですけど、その3年分の内容を収録。

テーマは、明治期の選挙干渉事件、選挙運動規制や議会傍聴についてなど。

会話帳で書いてあるのでとても読みやすくて、
通勤の電車内でコツコツ読んでいって、あっという間に読み終わりました。

内容もとても興味深くて、まずは「政治史」の位置づけから。

政治学の範疇にありながら歴史的な考察が入るわけですけど、
それが「歴史学」とはどのような点で異なるのか。

そのあたりから、選挙干渉についての歴史学からの通説に疑問符を投げかけ、
政治学的な考察に寄って選挙干渉事件をとらえ直すということでした。

自分は「歴史」をあまり好きではないのですが、
お話を読んで、どこに引っかかりがあるのか、なんとなく分かった気がしました。

また、第2回や3回では、選挙運動制限のあり方や議会傍聴について、
明治期と現代を比較し、今あるべき政治参加のあり方を考えていました。

なかでもなるほどと思ったのは選挙運動制限に関する話の中で、
他の国との比較を行う部分があったのですが、
予想通り、日本は他の国に比べて制限が多いわけですよね。

国によって制度が異なることはあるかもしれませんが、
選挙権は参政権の中でも最も重要な権利であって、
それが国によって異なるということはあってもいいのか、との指摘が。

例えば、中国に対して、人権侵害がひどいと批判することがありますが、
選挙運動制限だけ見れば、日本だってたいした人権保障が行われているのかと。

民主主義のスタートが選挙であるわけですから、
その部分で自由が保障されていないということはもないなのではないかと、
そのように感じました。

傍聴についても、あまり知らないお話がいろいろとあって、
自分も一度は傍聴に行ってみたいなーと。

ただ、著者の先生は、傍聴の意義を重視していたのに対して、
受講者のみなさんが、そうなのかな?って疑問を持つんですよね。

どちらかというと、自分も受講者側の立場で、
傍聴はあくまでも傍聴であって、議論する権利は議員にあるわけで、
傍聴が議論の行方を左右することはあってはならないのではないかと。

傍聴というのは、公開することで透明性を確保するもので、
圧力をかける場であってはならないと思うんですよね。

それが可能となると、では議員とはいったい何なのかと。

明治期には、選挙権を持っていなかった人も傍聴を認められていて、
そういった人たちの重要な政治参加の場だったかもしれませんが、
今は公平に与えられているわけで、かつてとは違うかなって。

なんて感じで、ぜひともみなさんにも読んでもらいたいと思ったのでした。
これからの政治参加を考えるうえで、とても参考になると思います。

ちょっと分厚いんですけど、さっきも書いたようにささっと読めちゃいます。
お手頃価格ですし、ぜひとも手に取ってみてください。


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